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この社会で、ギフテッドとして生まれた自分だからこそできること。大人に成長したギフテッド本人が綴る、もう一つの世界観。


by H a N a

記憶の方法

ギフテッドは、些細なことでもよく覚えてる。会議なんかでも、僕はメモを一切取らない。取らなくても覚えているからだ。

覚え方はそれこそ人それぞれだと思うけど、僕は絵とか図とか表にして覚えます。会議なんかでも、各発言の要点を瞬時にまとめて、最近スマートフォンで話題のLineアプリのようなチャット画面を頭の中で作り上げて、その絵を覚えてしまいます。後に、その日の会議の内容を思い出したくなったり引用したくなったら、その絵を思い出してそこに書かれている文字を読みます。内容を覚えるのではなくて、絵を覚えるのです。


昨日友達とそんな話をしたら、そんなやり方できないよと言われましたが、これもギフテッドの少し変わった物の捉え方の一端なのかもしれません。
# by ooxxhanaxxoo | 2013-09-09 18:14 | 普段の生活から
派遣会社からここの仕事を紹介された時、手加減はしないと決めていました。ただ同時に、アピールはしないとも決めていました。


ギフテッドの能力は、非常に高いです。ギフテッドにとっては普通のことも一般的には常識はずれで、言葉で説明しても信じてもらえません。

ギフテッドが社会に出た時に、この能力をどうするのか。それは常に抱えている問題でした。自分から「こんなことができます!」と言っても信じて貰えない。だから、口にすることはしないと決めていました。


前の職場では、孤立してしまうのが辛くて、その能力さえも隠してしまいました。でも、それは失敗でした。普通になろうなろうとするあまり、言動はおどおどし、不安ばかりが募り、結果は悪く、最後には精神的にも追い込まれて行って、出社もできなくなりました。

自分らしくないなって、感じですね。


それで今回の仕事が決まった時、手加減はしないと決めました。おかげで今は、一緒に派遣されたメンバーの中では、孤立しています。仕事内容も、休憩時間も、みんなとは別ですし、いつも管理社員と肩を並べて働いている。

孤立するのは仕方ないって、諦めてます。それより、自分らしくいれることの方が、大事。
# by ooxxhanaxxoo | 2013-09-04 20:45 | 普段の生活から
「生きてさえいれば、独りの時間は決して長くは・・・」

とあるゲームの1シーンでのセリフです。


ギフテッドにとって孤立は一番の問題だと、Wkipediaでも書かれている通りです。

私の周りにもたくさんの人がいますし、会社でも笑顔で話をする機会はそこそこにあります。ただ、それは時には我慢であり、時には演技であり、心からのものでないことは確かです。何かいつも、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちでいます。


50人に1人と言われるギフテッドも、多いようで少ないですね。私の所属するグループは全部で約80人。1人くらいはいるだろう、その1人が私だから、他にはいそうにありません。


最近会社では、各派遣スタッフの仕事の精度を評価するためのデータ収集や、作業改善なんかの仕事をするようになったので、以前親しくしていたスタッフとも距離をおくようになりました。自分の出した数字が、各スタッフの評価そのものになる。そのスタッフが評価されるのかされないのか、次回の契約更新があるのかないのか。自分が出した数字がそれを決める。その辛さを察してか、「大変だね」って声をかけてくれる人もいる。

「生きてさえいれば、独りの時間は決して長くは・・・」

いつもこの言葉を思い出す。私が独りにならないように、気をまわしてくれる人がここにいる。そう思いつつも、自分の居場所がどこにあるのか、その検討もつかないまま生きるのは辛いもので。

これも、素晴らしい贈り物を授かった代償として、受け入れなければならない現実なのかもしれません。
# by ooxxhanaxxoo | 2013-09-03 22:44 | シリーズ「あの人の言葉」
from Wikipedia
感情性OE : 感情の種類と幅が大きく「ドラマチック」な反応を示す。より楽しみ、より腹立ち、より驚き、より恐れ、より共感する。深く感情移入し、愛着心、責任感、自省意識も非常に強い。ある程度の人生経験を持つギフテッドには、相手の気持ちを鏡のようにリアルタイムで読取り、共感する人もいる。


私の部屋には、テレビがない。映画のDVDもないし、漫画も小説も、ゲームソフトもない。新聞も読まない。別に興味がない訳じゃないんです。上で紹介した感情性OEが原因で、いつもこれらの物を避けて避けて生きているんです。

楽しいお話ならいいんですけど、ドラマや映画だと悲しいお話も多いし、そういうシーンがたくさん出てきます。私の場合、感情移入の度合いが半端ないし、そこで受ける感情も限りなく強烈なものになります。


大学の1年の頃だったと思います。自分にそんな特徴があるとも知らない私は、知り合いに進められるままファイナルファンタジー6をプレイしましたが、ちょうど魔列車のところでしょうか、この世界と霊界を結ぶ魔列車に乗ってしまい、必死に停めようとします。やっとの思いで停めて降りるのですが、そこで目にしたのは先日亡くした家族がその魔列車に乗り込んでいく、というシーンで・・・。泣き崩れてしまったのを今でもよく覚えています。あの1シーンは、「自分と自分の愛する人の生きる世界は、もう違うんだ」ということを、はっきりしらしめさせられるものでした。


ところが大変だったのはこの後。その後1ヶ月、ショックのあまり私は登校する事もできなくなり、最後には学内のカウンセリングセンターで治療を受けるまでに悪化してしまったのでした。

この時からです。物語という物に触れるのは危険だと知って、テレビも、映画も、ドラマも、アニメも、漫画も、小説も、新聞さえも、避けて避けて生きるようになったのでした。


人の気持ちがわかるというのはすばらしい長所です。でも、ギフテッドのその行き過ぎた能力はもはや長所ではなく、常に自分を傷つける可能性を秘めた、危険な能力なのです。

他人というのはいつも良いように見えるものです。でも、人が見えないところで、ギフテッドはいつも危険と隣り合わせな生き方を強いられているのです。
# by ooxxhanaxxoo | 2013-09-02 22:00 | シリーズ「ギフテッドの特徴」

目先の利益で計算しない

半月ほど前の話しです。会社で人員不足の問題もある程度片付いて、一日の行動パターンが決まって来ました。

私の会社は物流倉庫で、数多くのアイテムを保管しています。私の仕事は、その数多いアイテムを、年度末までに全て棚卸しすることです。同じ派遣会社から派遣された13人のチームで行います。仕事は11:00から20:00で実働7時間45分。しかし、15:00までは入出荷で物が動くため、棚卸しはできません。そこで、11:00から14:00までの3時間を別部署の業務支援、1時間休憩を挟んで15:00から棚卸し、という感じで進めて行きます。


8月の上旬、はじめの3時間、誰がどの部署の業務支援をするかという発表がありました。そのとき、一部の人は随分混乱したようです。

支援する部署は全部で4つありました。
入荷の部署は、重いものが多くかなり体力を使います。
棚整備は、ぼろぼろになった箱とかを新しい物に交換したりする仕事なんで、責任も少なければ体力もいりません。
袋詰めは、小さくて大量にあるネジ類を、50個づつ袋に詰めて行く仕事です。数を間違えてはいけないので多少集中力はいりますが、体力はいりません。
品質管理は、知力が必要になり責任も非常に重いですが、半分は事務仕事なので座って出来る仕事です。

会社は、能力や信頼度で、メンバーを割り振ったようです。
私以外の男子は全員、力仕事になる入荷のほうへまわされました。そして、信頼のおける女子2名も、入荷のほうへまわされたようです。私は、品質管理のほうです。

私は他のスタッフの思考の傾向や意欲の度合いなどを洞察していたし、会社がどういう考え方でこういう結論に至ったのかもすぐに洞察できてしまったのでなんの疑問も持たなかったのですが、一部ではこの発表があった直後から、なぜ男子の私が座って出来る仕事をして女子が力仕事をするんだ、という不満の声が上がっていました。そして最後に出てくる言葉は決まって、

「これだけ仕事のしんどさに差があるのに、貰う給与は同じって不公平だ」

というものです。
「???」な感じになってしまうのは、私だけなのでしょうか。

いえ、確かに、目先の利益だけで計算すると、不公平なのでしょう。しかし、私は2年3年という長いスパンで考えて行くと、誰が得で誰が損でといった類いの問題ではないと思うんです。


そもそも、私が入荷という力仕事を免れて品質管理のほうへまわされたのも、必然的な話しでした。言ってみれは、これは給与という金銭以外の報酬だったのです。


この発表がでる1ヶ月前、私はタイムリミット付のきついライン作業のほうへ、1ヶ月応援で行くことを会社から命じられました。上流側からベテランスタッフが容赦ないスピードで出荷品を流してきます。そのスピードに遅れないように私は最下流で仕分けをします。ふと目を上げると2人で楽しそうに笑いながら通路をゆったり歩いて行く同僚の姿が見えました。それを見た時は、さすがに「なんで自分だけが?」という気持ちになりました。しかし、そこから1ヶ月、私はとにかく自分に与えられた仕事をただただ誠実にこなしていきました。

もともとギフテッドの私は、はじめの5分で、6パターンある全てのパターンについて、仕分け用の約40個のカゴのどこが何番なのかを完璧に暗記してしまい、はじめの1時間で仕事の流れを完全に理解してしまい、はじめの半日で70人いるスタッフの全員の顔と名前を覚えてしまい、2日目にはほぼベテランと同速で仕事をこなすようになりました。手があいたり手が足りなくなったりしたときには、ベストな方法を導き出し、適切な人に提案し確認していました。後から知ったのですが、その学習の早さと仕事の質は、すぐに管理社員の耳に届き、高く評価されていたようです。


確かに、目先の利益だけで考えれば、これだけしんどさの差があって給与が同じというのは不公平なのかもしれませんが、本来はそういう物じゃない。与えられた仕事を誠実にこなすことによって、次に繋がって行くし、より高いステップへと上って行くことができる。身分も、給与も、次第に人と差がついて来る。誰が得で誰が損でとかではなくて、自分がどれだけやってどれだけもらえるようになるかという問題。


でも、最近の派遣スタッフを見ていると、そういう2年3年という長いスパンで計算するということが苦手な人が多いなって、そう感じます。
# by ooxxhanaxxoo | 2013-09-01 10:31 | 普段の生活から